奇抜なデザインで人ン期のバイク「スズキGSX400Xインパルス」

たくさんのバイクメーカーから多種多様なバイクがラインナップされているが、その中でも他者との差別化を図るためなのか、デザインが奇抜すぎる個性的なバイクも中にはある。
奇抜なデザインのバイクと聞いて多くのライダーがイメージするのは、スズキからラインナップされているGSX400Xインパルスだろう。
GSX400Xインパルスは、同じくスズキからラインナップされているGSX1100Sカタナのデザインをしたハンス・ムート氏が手掛けたバイクである。
当時バイク市場に存在していたほかのバイクと比較して、圧倒的な斬新さと存在感を誇り、注目を集めたものだ。

それでは、GSX400Xインパルスの何がそんなに個性的なのだろうか。
まず注目したいのは、その色使いだろう。
明るい紺色、そして日本の国旗を彷彿させるような朱色のツートンカラーに仕上がっているバイクフレームは、ヘッドライトカバーに向けて美しい流線形を描いており、その姿はまるで東京タワーのようだ。
実際に東京タワーをモチーフにしたかどうかは明らかにされていないものの、GSX400Xインパルスに東京タワーというニックネームがつけられたことは必然だったのかもしれない。

GSX400Xインパルスはまた、エンジンの冷却システムも斬新だった。
このバイクは斬新かつ画期的なスポーツモデルのバイクを目指すというコンセプトで設計開発された車種で、エンジンの冷却システムが特徴的だ。
シリンダーのヘッド部分に水冷システムを搭載し、シリンダーブロックには空冷システム、そしてピストン内部には油冷システムという異なる3タイプの冷却システムを取り入れたのだ。
そのため見た目はロードバイクに見えるが、走行するとスーパースポーツバイクのようなパフォーマンスが可能という点が大きな魅力となっている。

コロリとしたフォルムが可愛い「スズキSW-1」

スズキのSW-1も、奇抜なデザインで話題を集めた車種である。
コロリとしたスクーターをイメージさせるデザインのSW-1は、通常なら燃料タンクが設置されている部分が収納スペースとなっており、燃料タンクは通常ならヘルメット収納スペースとなっているシート下に配置されている点が特徴だ。
このデザインは、1991年のモーターショーではグッドデザイン賞を受賞した実績もある。

SW-1は空冷単気筒のエンジンを搭載しているほか、最高出力は20ps、そして250㏄排気クラスのバイクとしては珍しいベルトドライブを採用するなど、デザインや機能面でハイスペックを追求した車種としても注目された。
しかしそのためだろうか、新車価格が70万円程度と高額となってしまったため、購入が伸び悩んだのである。
その結果、発売開始からわずか3年で生産終了を迎えた。